いい機会をいただいたなと思います

 ドラマや映画で様々な「お父さん」を演じている原田さん。ひろしが持つカッコよさは、ちょっと駄目なところもあるけれど、それも含めたカッコよさだと力強く語る。

「存在感ですよね。子どものときはいろんなヒーローに憧れるものだけど、坂本龍馬であったり、ブルース・リーだったり、たぶん今はやっぱりこういう、ひろしみたいなお父さんに憧れたりするんじゃないかな。すごく人間らしい」

「ご自身と重なるところがあったりされませんか?」とうかがうと、少し考えつつ、笑顔で答えてくれた。

「このショートムービーのひろしには重なりますね。もう子どもたちが巣立っているから、その感じも含めて近いかもしれない。演じるにあたって改めて『しんちゃん』を見ると、懐かしい感じがするんです。自分の子どもが小さかった頃を思い出すというか。そういう意味でもいい機会をいただいたなと思います」

 これまでも漫画やアニメの実写化などでキャラクターを演じることがあった原田さん。そうした作品へのアプローチはどのようにしているのだろうか。

「そんなアプローチというよりは、やっぱり、面白いんですよ、それになれるっていうのが。楽しいんですよね。その魅力的なキャラクターに近づいていく、そうすると、さらに楽しいっていう(笑)。シンプルだけどそういう思いですね」

ショートムービー「もうひとつのクレヨンしんちゃん やかんの家族だゾ!」より

(つづく)

原田泰造(はらだ・たいぞう)
1970年3月24日生まれ。東京都出身。「ネプチューン」のメンバー。90年代に一世を風靡したバラエティ番組『タモリのSuperボキャブラ天国』(フジテレビ系)出演をきっかけにブレイク。お笑い芸人として活躍するほか、俳優として多数の作品に出演。NHKの連続テレビ小説『ごちそうさん』、大河ドラマ『篤姫』『龍馬伝』など、ドラマ、舞台、映画と多方面で活躍。現在放送中の大河ドラマ『べらぼう』に田沼意次の側近三浦庄司役で出演中。