今回登場してくれたのは、歌手に女優にと、マルチに活躍するタレントの研ナオコさん。自身の仕事観から、堺正章さんや中島みゆきさんとの華麗なる芸能人脈まで、55周年を迎えた自身の芸能人生を振り返ってもらいました。【第2回/全2回】

ーー(映画に限らず、頑張っている人から連絡が来れば、「OK! 私でいいんだったら、やるよ!」というのが好きなんです。と語る研ナオコさんに対し)そういった考え方になった、きっかけはあるんですか?
「堺正章さんのステージにゲストで呼ばれたとき、本当は前歌なんですが、間に入れてもらって絡んでもらったことがあったんです。それ以来、私もあんな人間になりたいな、とずっと思っていたんです。
だから、THE ALFEEを私のステージに呼んだときも、間に時間を設けて会話をして、あの子たちが目立つようにしました」
ーー無名時代のTHE ALFEEがバックバンドを務めた『窓ガラス』(1978年)は、「研ナオコwithアルフィー」名義でリリースしていますね。
「そういうのが好きなんです。おせっかいと言われるのかもしれないけど。例えば、大きい映画に出たとしても画面の端に映っていたい」
ーー主演の役所広司さんがカンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』(2023年)では、そんな出演の仕方でしたね。
「そう! 観た方々の間で流行ってるんですってね、“研ナオコを探せ。”」
ーー最近、テレビなどで観ていて、面白い若手はいますか?
「千鳥。千鳥の番組は無条件で出演OKしてます」
ーー18年8月26日放送の『相席食堂』(朝日放送テレビ)は神回として語り継がれ、今年1月にも出演しましたね!
「大悟だから出演OKしました。千鳥は浮かれていないし、自分が育ってきたルーツをちゃんと、おなかの中に持っていて芯になっている。芸にも生かされていると感じます。相手をけっして軽んじないし、人間としてもステキだね」
ーーそういった番組をはじめ、今回の映画も、研さん自身が楽しんで仕事をしているのが分かります。
「仕事は全部、楽しい。終わった後、お客さんやスタッフが“よかったよ! 楽しかったよ!”と言ってくれるのを聞くと、よかったなあって思う」
ーー今年で芸能生活55年ですが、続けていても、お客さんからの歓声は慣れないものですか?
「常に不安ですから。“ちょっとね……”なんて言葉が入ってきたら、“もっと頑張らなくっちゃ!”と思っちゃう」