「ウフーン」「アハーン」しか喋らない!?

『オトナ帝国~』は映画好きの間でも「名作」と名高く、クレヨンしんちゃんが子どもだけのものではなく、大人ものめり込んで感動できることを決定づけた作品だ。小峠さんもそんな大人の一人で、「感動もするし、おもしろいギャグも散りばめられているし、エンターテイメントとして非常に質がいい」と話す。

 今作で小峠さんが演じるのは、ダンスコンテスト出場のためインドを訪れたしんのすけたちに同行する、インド人ガイドのウフンアハーンさん。このキャラクター、なんと「ウフーン」「アハーン」しか喋らないのだ。

「最初は、"セリフを覚えなくていいから楽だよな”とか思っていたんですけど、いざ現場に行ったら"ウフーン”"アハーン”という言葉だけで気持ちを表現しなくちゃいけないのは結構たいへんだよな……難しいな……と思いましたね」

小峠さんが演じるウフンアハーン 『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』より (c)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2025

ーー監督からはどんな指示がありましたか?

「“もうちょっと抑えてください"“もうちょっと走ってください”“そこはちょっと慌ただしい感情を出してください”とか……いろいろありましたね」

 細かな演技指導だが、小峠さんは何度も何度も「ウフーン」「アハーン」を繰り返したという。そもそも、意外にも俳優としての演技経験はほとんどなく、声優経験もこれまで2回ほど。コントでも「僕は演技をしていないんです」と話す。