日本から離れた地で、価値観に大きな変化が
主演ドラマの撮影と主演舞台のリハーサルを平行して行うというだけでも大変なのに、プライベートでは2人の子どものママ。まさしく、身体がいくつあっても足りない状態だった。
「でもわたしはずっと、好きなことをやっているのだから、弱音を吐いちゃいけないと思ってきました。ところがロンドンでは、良い仕事をするためには、しっかり休みを取るべきだという考え方。例えば、『千と千尋……』は生演奏だったんですが、あちらのオーケストラメンバーは、開演の5分以上前はオーケストラピットに入っちゃいけないんですよ」
確かに、日本では何ごとも「早め」が礼儀とされがちである。
「向こうでは何時から何時までが仕事、っていうのがはっきり決まっているんですよね。あと、ロンドン在住の友人に“こっちに来るまですっごく忙しくて、2か月くらいお休みが取れてないんだよ〜”って話したら、“そういう働き方はダメだよ。ちゃんと休まなくちゃ”って、言ってくれたんですね。ああそうか。しんどいときは“しんどい”って言っていいんだ、って目からウロコがボロボロ落ちました」
