183センチの長身に、涼しげな目もとが映える俳優・竜星涼。そのルックスを活かした二枚目役が似合うだけでなく、個性派俳優としても開花してきた。今年32歳を迎えた竜星の半生をつくってきた、THE CHANGEを聞いた――。【第3回/全3回】

竜星が、劇団☆新感線の舞台『修羅天魔〜髑髏城の七人season極』、ドラマ『昭和元禄落語心中』で自由に芝居を楽しめるようになったと振り返る2018年、彼はもう一つの個性的な役で印象を残す。ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)で、しばしば謎めいた笑みを浮かべていた葬儀社社員の木林南雲だ。
――『アンナチュラル』の木林は跳ね上げサングラスをかけた姿が印象的で、「赤い金魚の印がある遺体」を見つけては井浦新さん演じる中堂に報告していました。終盤まで彼の狙いがわからない、インパクトの強い役でした。
「あれほど反響があるとは、思っていなかったですね。オンエアよりもずっと前に、別の作品と並行しながら撮っていたので、世の中の反応を予測しながらできるわけもなくて(笑)。出番もさほど多くなかったです」
――ご自身の感覚では、当時試行錯誤しながら演じられていたそうですね。
「そうですね……謎の多い人物でしたが、僕のお芝居だけで成り立ったものでもなくて、塚原あゆ子監督の演出にも助けてもらいました。映像での監督の切り取り方もあって、あれだけ皆さんの記憶に残るキャラクターになったと思いますし、すごく感謝しています」