2024年、全国13か所の公演で好評を博した舞台『大誘拐』~四人で大スペクタクル~が2025年の秋、帰ってくる。本作で主人公となる戸並健次を演じるのは中山優馬さん。柴田理恵さん、風間杜夫さん、白石加代子さんという演劇界のレジェンドともいえる顔ぶれとの再びの共演に「前回は不安感もあったんですけど、今回はちょっと違いますね。わくわくしてます」と笑顔を見せる。キャリアを重ねる中で身に付けた自信とその転機となった瞬間をたっぷり語ってくれた。【第3回/全3回】

野球少年だったという中山優馬さん。芸能界に入るキッカケは思わぬ偶然からだった。
「小学1年生ぐらいから少年野球をやっていて、ずっと野球ばっかりやっていました。この世界に入ったのは母と姉が履歴書を送ったことがキッカケです。でも、オーディションの日は野球の試合の日だったので、オーディションには行かないことにしていたんです。
でも雨が降ってきて、試合が中止になり、オーディションに行くことになって、結果としてこの世界に……っていう感じなんです」

もしその日、雨が降らなかった場合の中山優馬はどうなっていたのだろう。
「俳優にならなかったら何をしていたかわからないですね。ただ、野球のセンスはなかったと思います(笑)。今ものめり込む何かを探しているけど、まだ見つかってない可能性もあるし……。完全にCHANGEの瞬間ですよね。
オーディションに行くきっかけになった雨の日以降、僕、雨男なんですよ。重要な日はほとんど雨が降るんです。舞台の初日や千秋楽も雨が多いですね。だから最近は大事な日に雨が降ると、ちゃんと“気合入ってんだな”と思うようになりました」