「やんちゃでしたね」タカラヅカの革命児と呼ばれた時代

 物語の舞台となる1990年代後半以降は、真矢さんが宝塚でトップスターとして活躍していたころ。宝塚時代には「タカラヅカの革命児」と呼ばれ、日本武道館でのソロコンサート、篠山紀信撮影による写真集の出版など、独自のアイデアで新しい風を吹き込んだ。

「やんちゃでしたね。前例がないことを実現させるのは、本当に難しかった。一歩踏み出すだけでも、やっとでした。私は強気だと思われがちですが、普段はそうでもないんです。なので自分の意見を通すのは、一つ一つが私にとっては大変なプレゼンでした」

いわゆる王子様のような雰囲気とは違う、日常にも溶け込めそうな洗練された現代の等身大な男役を演じた真矢さん。普通の女性からの目線を大切に、現実世界の男性の要素を取り込みたかったのだという。

「もちろん反発もありましたよ。先陣を切るときは、やっぱり向かい風。でも気づけば仲間が増えていったんですよ。横にいてくれる人たちのおかげで、新しい風を取り込むことができたのだと思います」

 とても正直に当時の思いを語る真矢さんの姿を見ていると、「仲間が増えていった」理由も自ずと見えてきた。先頭を進む真矢さんに勇気づけられて、「自分も」と思った方々はたくさんいることだろう。

真矢ミキ 撮影/三浦龍司

ヘアメイク:小澤久美子、スタイリスト:佐々木敦子

真矢ミキ(まや・みき)
1964年、広島県生まれ、大阪府出身。81年宝塚歌劇団に入団し、花組のトップスターとして活躍。日本武道館でのソロコンサート、篠山紀信撮影による写真集の出版など、独自のアイデアによる活動で「タカラヅカの革命児」と呼ばれた。98年退団後は、俳優として、数多くの映像やドラマに出演。2015年より4年半、朝の情報番組『ビビット』(TBS系)の司会も務めた。近著に書き下ろしエッセイ『いつも心にケセラセラ』(産業編集センター)。

■作品情報
ハリウッド共同制作オリジナルドラマ『TOKYO VICE Season2』
WOWOWにて
毎週土曜日午後9時放送・配信中(全10話)【WOWOWプライム】【WOWOW 4K】【WOWOWオンデマンド】
WOWOWオンデマンドにてSeason1全8話配信中
https://www.wowow.co.jp/drama/original/tokyovice2/
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