数々の現場で見てきた人気俳優たちの“凄さ”

 SET(エスイーティー)の本公演は劇団員全員が出演することになっているとのことで、現在の最年少は21歳。同じ舞台に立つに当たって、ジェネレーション・ギャップは感じないのだろうか?

「やっぱり感じますよね。いまの若い子は物怖じしないというか、のびのびとしています。うちの劇団は、若いのを上が父親のように叱ったりして、家族みたいな感じの上下関係。でも、劇団から出て仕事をすると、びっくりすることがありますね」

 と、2023年11月から今年2024年の1月まで出演した舞台『西遊記』でのエピソードを話してくれた。

松平健さんが牛魔王役で出演されて、健さんはとても気さくで優しい方なんですけど、ぼくにとっては大スターですから、やっぱり緊張するわけですよ。気軽に話しかけちゃ失礼だ、みたいな気がして。ところが、若手の子たちは“健さーん、飲みに行きましょうよ!”なんて言ってるんです。すごいな、と驚きつつ、いまどきの子の距離感が、うらやましかったですよね(笑)」

 映画、テレビドラマなど、劇団員以外の若手と共演することが多いが、印象に残っているのは?

「『鎌倉殿の13人』でご一緒した菅田将暉くんは、当時はまだ20代でしたけど“おとな”という感じがしましたね。とてもしっかりしているし、自分が演じる役のことをきちんと理解した上で、“こうしたい”というのがハッキリある。だから、演技に見応えがあるし、説得力がありましたね。それは、小栗旬くんもそうだし、若いころの斎藤工くんにも感じたことでした」

野添義弘 撮影/有坂政晴

野添義弘(のぞえ・よしひろ)
1958年7月3日生まれ、大阪府出身。1982年に劇団スーパー・エキセントリック・シアターに入団。以来、劇団の本公演に出演するとともに、アクション、殺陣の振付も担当。主な出演作は、劇団本公演のほか、映画『真田十勇士』(’16年)、ドラマ『ワカコ酒』(BSテレ東)、『アンナチュラル』(TBS)、『コドモ警察』(フジテレビ)、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、連続テレビ小説虎に翼』、『新宿野戦病院』(フジテレビ系)、舞台『志村魂』(’08~’19年)『魔界転生』(’21年)など。

◆作品情報
劇団スーパー・エキセントリック・シアター
創立45周年 第62回本公演
『ニッポン狂騒時代 令和JAPANはビックリギョーテン有頂天』
2024年10月17日(木)〜10月27日(日)
サンシャイン劇場
脚本:吉井美奈子 演出・三宅裕司
出演:三宅裕司 小倉久寛 劇団スーパー・エキセントリック・シアター
https://www.set1979.com/stage/2024/

第35回下北沢演劇祭参加作品
タカハ劇団 第20回公演『他者の国』
2025年2月20日(木)~2月23日(日)
本多劇場
脚本・演出:高羽彩
出演:平埜生成 小西成弥 野添義弘 土屋佑壱 西尾友樹 本折最強さとし近藤強 田中真弓 柿丸美智恵 平井珠生 丸山港都 高羽彩
https://takaha-gekidan.net/