愛くるしい子役として、そしてかれんな氷上の天使として、わたしたちの前に現れ、常に視線をクギ付けにしてきた本田望結の最新作は、フィギュアスケートと同様に氷上の競技をテーマにした映画『カーリングの神様』。輝き続ける、本田望結のTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】

本田望結 撮影/有坂政晴

 今年20歳を迎えた本田望結。同世代の多くが「さぁ、これから社会に飛び込むんだ」という年齢だが、3歳から芸能活動とフィギュアスケートを続けてきた彼女はいま、何を思うのだろうか。

「私もみなさんと同じように、“社会人としてこれからどうしよう”と考えます。ずっと“役を演じる”ということはやってきましたが、私が経験してきたのは子役なので、俳優としてはまだまだ新人だと思っています」

 芸歴17年にして、自らを新人だという本田。では、自身が「もう子役ではない」と感じたのは、いったいどのタイミングだったのだろう?

「高校生になるころ、まわりの方たちが一斉に、“本田さん”と呼んでくださるようになったんですね。それまではずっと“望結ちゃん”だったのに。そのときに、私はもう子役じゃないんだ、と感じました」

──うれしかった? それとも、さびしかった?

「両方です。そして“ここからは俳優として、ゼロからのスタートだ”って。それから5年くらいがたちますが、まだ俳優としてやっと入口に立ったくらいだと思っていますし、いろいろなことに興味があるので、まったく違うことをやりたくなるかもしれない、とも思っています」

──俳優でも、フィギュアスケーターでもなく?

「もちろん、演じることも、滑ることも大好きなんですけど、もしかしたら明日、違う何かに出合ってしまうかもしれない。いざ、そうなったときに、何もできないと思うから、たくさんの知識を身につけて、いつ新しい何かに出合ってもいい準備はしておきたいです」