おしゃれな人が周りにいっぱいいたから
水原さんにとっての最初の「CHANGE」はいつの間にか大好きになったファッションとの出会い。これが今でも水原さんの基軸になっている。
「よく、“もうモデルさんやめて女優さんに転身されるんですか?”みたいなことを言われるんですけど、モデルをやめるかどうかはわかんないですけど、多分、洋服が好きということはもうずっとあるだろうなと思ってます。自分の中の芸術性としては一番大事なものなので、一生、切っても切れないものなんだと思うんですよね。でも、それはおばあちゃんやお母さん、おしゃれな人が周りにいっぱいいたからで、それは感謝ですね。おばあちゃんはいつも髪の毛を綺麗にしてスーツ着てバシっと決めてたんです。母もそうですし、そういうおしゃれな大人がいたことだったり、母が見ていた『流行通信』がテレビでいつも流れてる環境だったり、それがどこまで影響あるのかわからないんですけど、潜在的に刷り込まれたのかなって思います」
「好きなものをやりたい」そう軽やかに話す水原さんと、目の前の作品にストイックに向き合う姿。そのどれもが彼女であり、どちらにも自然体で行ったり来たり出来るのが水原さんのスタンス。生活も今は東京とLAの二重生活。その行ったり来たりも水原さんにとっての今のスタイルを生み出す大事な要素になっているそうだ。
(つづく)
水原希子(みずはら・きこ)
1990年10月15日アメリカ生まれ、日本育ち。モデルとしてキャリアを積み、ニューヨーク、ミラノ、パリのファッションウィークでも活躍。『ノルウェイの森』(2010/トラン・アン・ユン監督)で役者デビュー。『進撃の巨人』(2015/樋口真嗣監督)、『奥田民生になりたいボーイ出会う男すべて狂わせるガール』(2017/大根仁監督)ではヒロインを演じた。『あのこは貴族』(2021/岨手由貴子監督)で、第35回高崎映画祭にて最優秀助演俳優賞を受賞。女優としても存在感を放っている。
●作品情報
『徒花―ADABANA―』
監督・脚本/甲斐さやか
出演/井浦新 水原希子
三浦透子、甲田益也子、板谷由夏、原日出子/斉藤由貴、永瀬正敏ほか
10月18日(金)よりテアトル新宿他全国順次公開
https://adabana-movie.jp/