『かもめ食堂』『めがね』にはじまり、昨年世に放った『波紋』と、人気と評価を得続けている荻上直子監督。堂本剛へのあて書きからスタートした最新作『まる』でキャストのひとりに名を連ねる吉岡里帆とは、脚本を担当した2017年放送のドラマ作品で出会っていた。今度は監督とキャストとして、久しぶりに再会し、タッグを組んだ。そんなふたりが語る「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全5回】

吉岡里帆 撮影/冨田望 ヘアメイク/paku☆chan スタイリスト/ 飯嶋久美子(POTESALA)

――吉岡さんは、もともと荻上監督のファンだったそうですが、最初におふたりがお会いしたのはいつになりますか?

荻上監督(以下、荻上)「あのときは、何年前でした? 8年前ですかね」

吉岡里帆(以下、吉岡)「お会いしたのは、それくらい前だと思います」

荻上「そんなに昔でしたか」

吉岡「デビューから数年のときに、吉岡秀隆さん主演の『朗読屋』というNHKのドラマに出演しました。その作品の脚本が荻上監督だったんです。あるとき、スタジオに監督がいらっしゃると聞いて、“嬉しい!”とご挨拶に行きました」

 京都での大学時代より、俳優での活躍を目指して、東京の養成所に行き来する生活を送っていた吉岡さん。2015年に上京し、その年の6月から放送されていたNHKドラマ10『美女と男子』の第10話から登場して印象を残した。荻上監督が脚本を務めた『朗読屋』は、山口発の地域ドラマとして2017年1月にNHK-BSにて放送された単発ドラマ。

荻上「緊張されてましたよね」

吉岡「それはもう緊張してました(笑)」