NHK朝ドラ『ブギウギ』でヒロインの福来スズ子を演じ、日本中を元気にさせてくれた俳優・趣里。今夏シリーズ2が放映された『ブラック・ペアン』では一点、クールな主任看護師を演じ、表現の幅の広さを見せつけてくれた。幼い頃からバレリーナを目指していた彼女が俳優へと転機(チェンジ)となったきっかけとは? 10月14日スタートのドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)で主演を務め、更なる飛躍を続ける彼女の“THE CHANGE”に迫る──。【第3回/全3回】

趣里 撮影/有坂政晴

 NHK朝ドラ『ブギウギ』での主人公・スズ子役を好演し、ドラマは終了を迎えたが、趣里さんの中にスズ子を演じ切ったことでの“変化”は生まれたのだろうか?

「私の中でのお芝居に掛ける、その作品に向き合う意気込みというか姿勢は“やれることをやる”というのがあるんですけど、そこの部分は変わらないです。ただ、朝ドラで主役を務めたということで、身近な人が“観たよ、すごく良かったよ、頑張ったね”って声を掛けてもらうことが増えました。皆さんにそれだけ楽しんでもらえたんだなって実感はあります。でも、一方では私自身も『ブギウギ』を通して心身共に色んな経験を積んで強くなったというか、ある意味で流せるようになったかなとも思います」

──流せる?

「生きていると、どうしようもないことってあるじゃないですか。それが、もうちょっと若い時だったら考え過ぎてしまったりもしたけど、いい意味で割り切れるというか、“もういいから、次”っていう風に切り替えられるようになったのかなって思います」