Netflixで配信された『サンクチュアリ -聖域-』の謎めいたホステス役、今年2024年4月期放送のテレビドラマ『RoOT / ルート』(テレビ東京)では売れっ子キャバ嬢、『新宿野戦病院』(フジテレビ系)にはホス狂いのデリヘル嬢役と、ひと癖ある夜のオンナ役で話題沸騰中の寺本莉緒のTHE CHANGEとは──。【第2回/全4回】

寺本莉緒 撮影/有坂政晴

 寺本莉緒が芸能界に興味を持ったのは、中学受験をして入学した広島の進学校に通っていた中学1年生のときだったという。

「同級生にお芝居をしている子がいて、その輝いている姿を見て、私も注目されたい! と思って、中学2年生のときに事務所のオーディションに応募しました」

 見事オーディションに合格し、中学の卒業を待たずに上京。せっかく入った中高一貫校をやめてしまうことに、両親は反対しなかったのだろうか。

「やりたくなったら止められない私の性格を、一番わかってくれているのは両親なので(笑)。客観的に見ると、あのときが私のTHE CHANGEだったのかもしれませんが、本人にはそんな自覚はまったくなく、やりたいことが東京にあったから来た、みたいな感覚でした」

 やりたいこと……それは、芸能界というキラキラした世界で、自分自身が輝く存在になることだった。

「でも実際に入ってみた芸能界は、全てがキラキラしているわけではなくて、そこに至るまでには地道な作業が山のようにあるんだと、気づいたんです。事務所の寮から、新たに転校した東京の中学校に通い、そのあとは毎日レッスン。ときどき、私はいったい何をしに来たんだろう? と思いました」