舞台『モンスター』への意気込み

 風間さんが演じるのは、華やかな職場から逃れるように教師となった男・トム。風間さんと対峙するのは、若手実力派俳優の松岡広大さん(27)。母親を自死で亡くして祖母と暮らすも、複雑な家庭環境からか不規則な言動を繰り返し、周囲にひりつくような緊張感を与える14歳の少年・ダリルの役を担う。また、祖母役は舞台経験豊富な名優・那須佐代子さん(59)が、そして妊娠中のトムの妻を劇団四季出身の笠松はるさん(42)が演じる。

「おそらくこのダリルが俗にいう“モンスター”でしょうけど、この作品のおもしろさは、登場人物全員がモンスターだというところです。特にトムは一見“モンスター”には見えないと思いますが、トムという役がいるからこそ、“狂気というものはすべての人の中にあるんじゃないか”と感じることができます。

 みなさんが街中ですれ違う人もモンスターで、あなた自身もモンスターじゃないんですか?……という問いかけをするようなキャラクターになるのではないかと思います。と同時に、“みんながモンスター”となると、一周回って“狂気って寄り添えるんじゃないか?”ということを感じる作品になるのではないかなと思っています」

風間俊介 撮影/有坂政晴