相手の心を捉えて離さない瞳と、俳優歴10年超えのキャリアで着実に培った演技力。実写映画『ゴールデンカムイ』シリーズのヒロイン、アシリパ(リは小文字)役もピタリとはまり、ますます上り調子の山田杏奈さん。そんな山田さんのTHE CHANGEとは──。【第1回/全4回】

山田杏奈 撮影/松島豊

 彼女が部屋に入ってくるだけで、部屋がパッと華やぐ。サイドにシースルー素材が入った、ノースリーブのブラックドレスという、シックでセクシーないで立ちに、山田さん自身の華やかさが一層際立つ。取材のために席に着いた山田さんに、スタッフが肩掛けを持ってきた。「すみません、ありがとうございます」としっかり相手の目を見て礼を言う姿に、人柄が伝わってくる。

──山田さんに会うと、毎回とてもしっかりとした印象を受けます。子どものころにデビューしていますが、それも関係していると感じますか? それとも、もともとの性格でしょうか。

「もともと“しっかりしてるね”と言われるタイプの子どもではありました。そこに加えて早くから仕事を始めたので、余計にしっかりしたところはあるかもしれません。ただ緩められるところは絶対必要だと思うし、そういうところがある人って魅力的だなと感じることも多いです。だからユーモアのある人でいたいなと思ってます。それに私も、普段はそんなにしっかりしてないんですよ」

──そうなんですか?

「お友達と一緒にいるときは全然違うと思います。しっかり話を聞いているようで、実は力を抜いていて聞いていないとか(笑)。道を覚えるのが苦手なので、お店のビルから出てきたら全然違う方向に歩いているとか。そんなにしっかりしてないんです。こういうときだけカッコつけていろいろしゃべってるんです(笑)」