1300年以上前の『万葉集』が、いま一大ブームとなっている。社員1人の出版社の代表兼作家の佐々木良さんが、日本最古の和歌集を令和の奈良弁に訳した『愛するよりも愛されたい』が、7刷り9万部という異例のヒットを記録しているのだ。その“奇跡”を生み出した佐々木さんの「THE CHANGE」とはなんだったのだろうか。
―「万葉社」という社名の由来を教えてください。
「令和の時代に出版社を作るなら、令和っぽい名前にしたかったので、元号のもとになった歌が含まれる万葉集から取り、万葉社としたんです。なので、『愛するよりも愛されたい』も僕が万葉集が好きだからというわけじゃなくて、社名にしてしまったからには、ということなんですよ」
―万葉集に深い思い入れがあるというわけではないんですね……。ちなみに、この本はどのようにして広まったのでしょうか。
「すごいのは、有名人が紹介してくれた形跡もなければTwitterでバズったわけでもなく、本のtweetをしてくださっている方は、フォロワー100人とかなので、友達の友達の友達が口コミで買ってとねずみ講みたいな売れ方をしているんです。