いまはずっと戦っているような気がします
──ネガティブ思考ということですが、それは乃木坂46に入っていなかったら、そのまま自己否定というか、ずっと自信がないままでいたと?
「乃木坂46に入らなかったら、今は芸能活動をしていないんじゃないかなと思います。メンバーがたくさんいて、“じゃあ自分はどうする?”とか、“自分が勝っていくためには他のコと違うことをしなきゃいけない”とか。本当にみんな仲良いですし、私もみんなのことが大好きだったけど、よきライバルとしても意識していたので、学ぶことがたくさんありました。芸能界の中で色々と大変なことや、俳優とはまた別のベクトルの困難もたくさん経験したので、今ひとりになっても自分自身の戦いとして活かされていると思うんです」
──人生は戦い、なんですか。
「(笑)。そうですね。いまはずっと戦っているような気がします。リラックスして自分のペースでやっていくというよりは、いま頑張ったら次がある、来年が見える、という気持ちが強いかもしれません。生き急いでいる……まではいかないですけど、とにかく走らなきゃ、というような気持ちではいます」
──元々、飽きっぽい性格でひとつのこと続けるのが苦手だと別のインタビューでお話しされていましたが、そんな山下さんが乃木坂46を7年半も続けられたのは?
「もちろん、ファンの方の応援やスタッフさんのサポート、メンバーとの信頼関係など要因はたくさんあった中で、でもやっぱり最後の最後は意地だったなって思うんです。“いま辞めたら負けだ”みたいな(笑)。辛い時こそ、そこで負けたら全部が勿体ないという気持ちがあったんです」
──勿体ない?
「初めて選抜メンバーに入った時、すごくダンスが難しい曲で表現力も問われました。その時は、“自分は初めてなのに一列目で先輩たちの前で踊らなきゃいけない”“心折れそう”という気持ちもありましたが、“でも、ずっとアイドルに憧れてきた私がようやくカメラの前に立てる、だから負けない!”という思いがあって乗り越えられた気がします。初めてセンターになった時も、葛藤はありました。一番矢が飛んでくるような立ち位置でもあって。くじけそうになっても、“矢が飛んでくるまで表に出れるようになったんだ、負けない!”とか、そこでの意地というか、いまここで折れてしまったら、次はないとか。そうやって自分自身を奮い立たせていたんだろうなって思っています」