日本でも人気の高いK-POPグループ・HIGHLIGHTの弟分的存在として2023年5月にデビューした、6人組グループ・The Wind。
約5年に及ぶキャスティングとトレーニングを経てデビューした6人は、その当時全員が10代で、現在もほとんどがまだティーンエイジャーだ。そのみずみずしくも鮮烈な魅力は、“Youthteen(YOUTH+TEEN)”という造語によって表されている。おそらく、既存の言葉だけでは彼らの溢れる魅力を伝えきれないのだろう。
2024年10月、韓国内で3rdミニアルバム『Hello : My First Love』でカムバック。本作は韓国内外で高く評価されている。今回は、来日した折にキム・ヒスさん、タナトーンさん、チェ・ハンビンさん、パク・ハユチャンさん、アン・チャンウォンさん、チャン・ヒョンジュンさん(以下、敬称略)が双葉社を訪問してくれた。そこでインタビューを敢行し、The Windの過去・現在・未来についてたっぷりと語ってもらった。【第2回/全5回】

3rdミニアルバム『Hello:My First Love』が韓国内の音楽チャートと音楽番組で、2冠を達成するなど勢いに乗る6人組・The Wind。その作品が彼らにどんな変化、“THE CHANGE”をもたらしたのか。それぞれの思いをさらに詳細に語ってもらった。
キム・ヒス「『Hello:My First Love』と同じ名前の表題曲で、僕たちは音楽的に初めてのチャレンジをしたんです。それはThe Windにとって大きなターニングポイントと言っていいと思います。実は、この曲で僕らは初めて“恋”について歌ったんですよ。
恋って、目に見えないし、すごく繊細なもの。僕らにはよくわからないものでもあるので、表現しにくい感情だと感じました。The Windにとって挑戦だと思いましたし、だからこそ成功させるためになにかが必要だと思いました。そこで、僕らはレコーディング前の準備として、メンバー全員で初恋に関する映画を見たんです」
パク・ハユチャン「そうでしたね。『君の結婚式』(韓国・2018)という、初恋がテーマの作品をみんなで一緒に見ました」
チャン・ヒョンジュン「とてもステキな映画ですが、作品の主人公の初恋はかなわないんです。切ないですよね。そうした感情を大切にするようにレコーディングでも、ディレクターさんからアドバイスがありました。
“初恋はかなわないもの。だから、明るいんだけどちょっと切ない感じを出してください”と言われたのですが、正直難しかったですね。僕らのレコーディングは一発録りが基本なので、事前にいろいろと感情を想像しておく必要がありました」
アン・チャンウォン「僕は感情を歌に込められるよう、インターネットで恋の話を検索して、初恋に関する話をたくさん読みました。また、歌詞を繰り返し読んで、ストーリーを自分の頭の中で膨らませて考えました。それはちょっと、自分の頭の中で小説を書くような感じでしたね」
パク・ハユチャン「僕はこの歌を、自分の初恋の人が聴いてくれていることを想像しながら歌いました。初恋の人がいるとしたらこんな人かな、初恋の人に自分が歌うとしたらどう歌ったらいいだろうって、すごく想像力を働かせて歌に注いだんです。あまりに熱中したので、歌いながら汗をかきました(笑)」
チェ・ハンビン「(笑)。僕の歌うパートは、ちょっとドキドキする感情が多いパートなのですが、映画を見た後でしたからそれほど難しくありませんでした。だって、映画ですごくドキドキしたので、それを全部受け止めて自分の気持ちとして歌に込めることができたからです」
アン・チャンウォン「メンバーの中で、いちばん感情移入していたと思いますよ」
チェ・ハンビン「僕はもともと感情が豊かなので、すぐにドキドキするんです。あ、でも、誰にでもドキドキするような、チャラ男じゃありませんよ!」
全員「(爆笑)」
キム・ヒス「僕らは、映画から“初恋ってかなわないものなんだな”と学びましたし、そうした作品を鑑賞して自然と心が動いたことで、精神的な部分で少し成長できたのかなと思います。今回のように、これからももっといろんな気持ちを表現することができるように、いろいろな感情に触れたりしていきたいなと思います」