ギリシャ悲劇の最高傑作、『オイディプス王』が再演される。人生の不条理をドラマティックに描くこの作品に挑む三浦涼介さん。初演で圧倒的な表現力が絶賛された三浦さんの再演への思いとはーー。また、今では多くの舞台に出演する三浦さんも「自分が演じる意味」を見い出しきれない時期があったという。様々な人や作品との出会いで変化と成長をつかんだ三浦さんの今とこれまでを聞いた。【第3回/全3回】

三浦涼介 撮影/三浦龍司 ヘアメイク/春山聡子、スタイリング/ゴウダアツコ

 舞台だけでなくドラマや映画でも活躍を続ける三浦涼介さん。俳優デビューから8年後となる2010年には『仮面ライダーオーズ/OOO』に出演し、大きな話題に。演じたアンク/泉信吾は、この作品のキーパーソンであり、強烈なキャラクターが多くの仮面ライダーファンに刻まれた。

「『仮面ライダーオーズ/OOO』の出演がきっかけで応援してくださるお客様のおかげで、僕が長年夢見ていたCDデビューもできましたし、ライブ活動もできるようになりました。この『オーズ』への出演も大きな「CHANGE」の一つだと思います。

 アンクのキャラクター像みたいなものは最初に基本的な部分を立てただけだったんですが、ヘアメイクさんや、監督さん、脚本の小林靖子さんなど多くの方が僕が提示したものを紡いでいってくださって、だんだん肉付けされていって最終的にはああいう愛されるキャラクターになりました。これも出会いですよね」

 2022年に『仮面ライダーオーズ/OOO10th復活のコアメダル』という作品で、一つの“完結編”として区切りを描くことができたのも意味深かったという。

「作品が“完結”してしまうということに、賛否いろいろ意見があったと思いますけれど、作品として残せたのは良かったと感じています。旅をちゃんとそこで終わらせることが出来たので。こういう愛される作品に出演できたのはありがたいことだなとあらためて思います」