『ヤングジャンプ』で初めての水着グラビア
ファッション誌での仕事を始めた翌年(2015年)、今度は青年コミック誌『ヤングジャンプ』で初めてのグラビア、しかも水着姿を披露した。
「水着ということに対しての抵抗はそんなになかったですね。まだお仕事を始めたばかりで何もわからない頃でしたし、私の中ではむしろチャレンジという気持ちの方が勝っていたんだと思います。結果的に私のTwitter(現X)のフォロワー数も一挙に増えたので、その影響力のすごさに驚いたくらいでした」
ギャル雑誌のモデル、コミック誌のグラビアに続き、俳優としてデビューを果たしたのは映画『暗殺教室』(2015年)だった。近年では『おいハンサム‼』シリーズ(フジテレビ系)をはじめ、俳優としての活躍が目立つが、俳優開眼のきっかけになったのはこの映画公開の後に上演された舞台『四谷怪談』だったという。
「映像のお仕事全般に関して勉強させていただいたのが『暗殺教室』でした。そして、『四谷怪談』ではお芝居、表現することの楽しさを発見したところがありました」
舞台『四谷怪談』への出演で表現することの楽しさに目覚めた武田さんは、その後、配信ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年)に出演する。仮面ライダーシリーズのVOD向けオリジナルビデオ作品で、「シーズン1」が2016年、「シーズン2」が2017年にAmazon Prime Videoで配信された。当時のインタビューでは「(『アマゾンズ』に出演して)俳優というお仕事に対して強い覚悟が持てた」と語っているがーー。
「『アマゾンズ』ではヒロインの水澤美月という役をいただき、シーズン2でも同じ役を演じました。ひとつの役を長い期間演じさせていただいたんです。仮面ライダーというものに憧れがありましたし、初めてアクションにも挑戦できました。勉強させていただくことがたくさんあって、私が俳優というお仕事をやるうえで大事な作品になりました。“覚悟が持てた”というのはそういう意味だったと思います」
多くのファンを持つ仮面ライダーシリーズへの出演を果たしたことが、俳優としての自覚を芽生えさせたのかもしれない。
2024年は『あなたの恋人、強奪します。』(朝日放送系)、『おいハンサム‼2』(フジテレビ系)、『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)など、話題のドラマに次々と出演、俳優として飛躍の1年となった。自身にとって俳優として大きな変化、「THE CHANGE」となった作品は2018年に放映され、その続きが映画化された『人狼ゲーム』だという。
「綾部真弥監督との出会いがとても大きかったです。とても愛のある厳しい方で、現場で笑っている姿を見たことがないくらい……(笑)。撮影中は本当にずっとピリッとした感じで、俳優としての取り組み方に大きな変化を迎えた作品になりました」
――“愛のある”というのは?
「若手を育てることに力を入れているといいますか、芝居もまだまだだった私たちに色々なことを教えてくださったんです。たとえば、アドリブを入れるにしても、“ちゃんと役に沿って、どのタイミングで入れるか、自分で考えて入れて下さい”と指示されたり、大事なシーンの前は “私語禁止でしっかりお芝居に集中しなさい”と言ってくださったり、本当にたくさんのことを学ばせていただいたんです」
モデルデビューから10年。ドラマ、映画、舞台と俳優として着実にキャリアを積む武田さん。現在放映中の『東京サラダボウル』(NHK)では警視庁通訳センターのベトナム語の通訳を演じ、流暢なベトナム語を披露。その躍進は止まらない。
(つづく)
武田玲奈(たけだ・れな)
1997年7月27日、福島県生まれ。B型。T165㎝。2014年にファッション誌「Popteen」のレギュラーモデルとしてデビュー。翌2015年には映画『暗殺教室』で俳優デビュー、『監獄学園-プリズンスクール-』でドラマデビューを果たす。2023年からは福島県いわき市の観光や食の魅力を発信する「いわきツーリズム推進匿名部長」を務める。ゲームバラエティー番組『eGG』にレギュラー出演中。昨年は出演した全話配信中のドラマ『透明なわたしたち』(ABEMA)が話題になり、Netflixにて世界配信中。現在はNHKドラマ10『東京サラダボウル』(毎週火曜22時〜)に出演中。舞台『華岡青洲の妻』(2025年7月10日〜23日@京都四條南座、7月26・27日@久留米シティプラザ、8月1日〜17日@新橋演舞場)に出演予定。
【作品情報】
「武田玲奈10周年記念写真集 SISU」は絶賛発売中。
定価:3,500円(税込)
発行:東京ニュース通信社