笑ったらNGだなと思って必死にこらえてました
――共演の岩井ジョニ男さんとの絡みも最高でした。ジョニ男さんの昭和ギャグをスルーする冷酷さを感じました。
「何言ってるんだという感じで演じました(笑)。私と同世代だと、ジョニ男さんのオヤジギャグが分からないと思うんですけど、知ってる方は、より楽しめるはずです」
――昭和世代の皆さんにとっては、ストライクゾーンです。演技中、笑いそうにならなかったんですか?
「なりましたよ。笑ったらNGだなと思って必死にこらえてました。テストで笑いそうになって、カメラ回る直前に、監督が“あと、もうひと絞りお願いね”とジョニ男さんを煽ったりするから、リハーサルと、まったく違うギャグに変えちゃうんです」
――プロ根性を感じますね。
「本当にプロでした。私が笑わない役だと分かってるから、余計笑わせにくるんですよ」
――笑いをこらえているシーンが見どころですね。
「もしかしたら、笑ってるところが映ってしまったかもって(笑)。ずっと心配してたんですが、映ってなくてよかったです。
でも、ふんだんに散りばめられている昭和ギャグは見どころですね!
ーー笑いをこらえながらの難しい演技もこなす女優さんですが、デビューのきっかけは『ホリプロスカウトキャラバン』でしたね。
「そうです! それまでは人前に出ることに抵抗があったんですが、15歳のときに母が応募していて……。選考が進むうちに、芸能活動の楽しさが分かってきたんです」
――人前に出ることも得意になった、ということですね。
「いまだに得意じゃないです(笑)。自分が出た作品も、見てください! って言えないです。まだ、自信がないのかもしれないですね。私の課題です」
(つづく)
木下彩音(きのした・あやね)
2000年2月21日、京都府生まれ。身長156センチ。15年に『第40回ホリプロタレントスカウトキャラバン』でグランプリを受賞、芸能界入りを果たす。現在は、特撮作品を中心に、女優として精力的に活動中。