中学生のときに感じた“他の人と違うのかも”という違和感
「いまも女性スタッフと仲がいいですし、ストレートの男性の友達もたくさんいますが、当時から女性のほうが話しやすかったんです。そのままの感覚で中学生になったときに、周りが性の話をするようになり、“僕は他の人と違うのかも”って自覚するようになりました」
第二次成長期は、子どもから大人に変わる時期であり、思春期でもあるからこそ、感情の面でもさまざまな変化が訪れる複雑な時期。そこでほかの人とは違う自分を認めるのはなかなか難しいこと。そんな彼を支えたのは、いまや彼の一部となっている“ダンス”だった。
「小学校1年生から、6年生までずっと野球をしていたんです。でも、まったく楽しくなくて(笑)。そんななか、小学校5年生のときに初めてダンス教室に行ったときに、“これだ!”って思ったんです。
それからはとにかくダンスに情熱を掲げ、将来ダンスの先生になりたいという夢を持つことができました。言ってしまえば、ダンスに救われたんです。あのときダンスに出合えて、本当に良かったと思っています」
與真司郎(あたえ・しんじろう)
1988年11月26日生まれ。京都府出身。2005年にAAAとしてデビュー。2013年からソロ名義でも活動。2016年にカルフォルニアへ留学。その後ロサンゼルスと日本の二拠点で活動。2023年のファンミーティングで、同性愛者であることをカミングアウト。2025年4月16日にカミングアウトまでの道のりとその後の人生を描いたノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』(講談社)を発売。