三宅裕司さんが座長を務める熱海五郎一座『黄昏のリストランテ~復讐はラストオーダーのあとで~』に出演する羽田美智子さん。喜劇への挑戦は、新たな「CHANGE」だという。ドラマ『おかしな刑事』(テレビ朝日系)で20年余り親子を演じた伊東四朗さんも、昨年この舞台にゲストとして出演した。
 撮影現場で垣間見た伊東さんのすごみ。さらに、これまで共演した野際陽子さんや渡瀬恒彦さんなど、レジェンド俳優たちとの日々などを語ってくださった。仕事もライフスタイルも変化を恐れず、むしろそれを成長の機会としてとらえる、羽田さんの前向きな姿勢が輝いていた。【第3回/全4回】

羽田美智子 撮影/有坂政晴

 俳優としてのキャリアを重ねてきた中での「CHANGE」といえる瞬間は?と羽田さんにうかがうと、ある映画の中のセリフを取り上げてくれた。

「映画が好きで、これまで見た作品の中に出てきた“人生は小さいチョイスの連続”というような意味のセリフを、よく思い出すんです。人間って“たられば”と思うじゃないですか。あのときあっちを選んでい“たら”、こっちを選んで“れば”どうなっただろう、って。
 でも、実際には小さいチョイスの連続が、いまの自分を作っているんだ、そこで出会った人によっていまの自分が形成されてるな、と思うんです。だから、“CHANGE”のときには必ず人が介在していて、誰かが“この船乗らない?”と船を用意してくださる瞬間。  今回は三宅さん(『熱海五郎一座』座長)なんですけど、そういう“CHANGE”の積み重ねで、私は進化してきたなと思うんです。“CHANGEのたびに、自分がだんだん太い幹になってきたな”という感覚は持っています」