“謙虚に図々しく”は、自分にとって大事な言葉

「表現したい」という思いは徐々に変化を見せていく。

「元々、たぶん感情は激しいタイプだと思うんです。それを音楽に乗せて表現するというのが、ピアノだったと思うんですけど、それを言葉に乗せて伝えるというアナウンサーの仕事に変わっていったんだと思います。そして、今はそういう言葉で伝えることも、感情をストレートに伝えるお芝居もどっちもやってる、みたいな感じです。環境はどんどん変わってるけど、根本のやってることは変わってないなと思いますね。「CHANGE」しながらも、その表現したいという思いからいうと、「CHANGE」しないまま今に繋がってるのかな、って」

 そして、その「表現」活動の中で、アナウンサーになったときにご両親から送られた言葉が今も活きているという。

「アナウンサーって、例えばインタビューするときも、謙虚にいきすぎると、本当に欲しい言葉を引き出せないまま終わってしまうので、図々しくいくところは図々しくいきなさい、というのを両親から言われまして。この“謙虚に図々しく”というのは自分にとって大事な言葉だなと思っています。毎年、誕生日のたびに“謙虚さを忘れるんじゃない”というのを言われるんです。
 やっぱり、謙虚って大事で、お仕事をいただけている、ということへの感謝も必要ですし、常に謙虚な姿勢は忘れちゃいけない。でも一方で、バラエティの現場では、行くところは行く、というのも大切だと思ってます。
 とくに『さんま御殿』なんて、謙虚にいたら、一言も喋らずに終わっちゃうので(笑)。そこは、他の人が喋ってても、若干図々しくても入っていかなきゃいけなかったり。それが番組として面白くなれば、図々しいのもOKという気持ちも必要。そのバランスは常に持ってなきゃいけないというのは、アナウンサー時代とまた違った意味で今感じています」

 MC、バラエティなどそのキャラクターは今や定着したともいえる森さんだが、俳優においては、まだまだ挑戦が必要だと話す。

「今回『年下童貞くん翻弄されてます』でラブコメをやらせてもらって、その前にもコメディ作品をやらせてもらって、楽しいなというのはすごく感じていて、今後もどんどん挑戦したいと思っています。やっぱりコメディの世界って奥深いんですよね。どうやったら面白いかみたいな視点がいろいろなアプローチで生まれてくる。現場の瞬発力も必要。まだまだ学びながらやれたらと思っています。逆に、すごい悪役も挑んでみたいです。自分の生きてきた世界とは違う闇を抱えた人物を演じる。なんでこの人は殺人をしてしまったのか?みたいなそういう役をやることで、表現も広がるかなと思っています」

 俳優としてさらなる役への挑戦は楽しみだ。

「何かを求められて、それにしっかり応えるというのも大事だけど、楽しいわくわくするという気持ちはまず第一ですよね。新しい役や、新しい世界に挑戦してそのわくわくを広げていきたいなと思っています」

森香澄(もり・かすみ)
1995年6月16日生まれ、東京都出身。2019年、テレビ東京にアナウンサーとして入社。2023年に同局を退社後、タレント、フリーアナウンサーとして活躍し、2024年には1st写真集『すのかすみ。』(幻冬舎)を発売。近年は俳優として数多くの作品に出演し、「伝説の頭 翔」「3年C組は不倫してます。」「情事と事情」等のドラマに出演している。

(つづく)

【作品情報】
年下童貞(チェリーボーイ)くんに翻弄されてます』 
出演:森香澄 柏木悠(超特急)
北村優衣 絃瀬聡一 平川結月 椛島光 朝井瞳子 / 鈴木康介
監督:高橋名月 須藤蓮 佐々木梢
脚本:下亜友美
公式サイト: https://www.mbs.jp/cherryboy/
MBSドラマ特区枠にて4月24日(木)より順次放送スタート
MBS:4月24日(木)より毎週木曜24:59~
テレビ神奈川:4月24日(木)より毎週木曜23:30~
チバテレビ:4月25日(金)より毎週金曜23:00~
テレビ埼玉:4月30日(水)より毎週水曜24:00~
とちぎテレビ:5月1日(木)より毎週木曜23:30~
群馬テレビ :5月1日(木)より毎週木曜24:00~
​(c)「年下童貞くんに翻弄されてます」製作委員会・MBS