1989年、山本圭壱と出会い「極楽とんぼ」を結成。現在、テレビ番組のMCをはじめ様々な活躍を見せる加藤浩次。この度初の映画監督として15分間の映画に着手した彼の「THE CHANGE」とはーー。【第2回/全2回】

加藤浩次 撮影/イシワタフミアキ

 受ける仕事の内容によってタレントとか司会とか、立場が違ってきます。たとえば『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)『スーパーサッカー』(TBS系)『スッキリ』(日本テレビ系)、今もやっている『がっちりマンデー!』(TBS系)とか『人生最高レストラン』(TBS系)とかを見ると、番組自体のジャンルも全然違うし、見ている層も違う。僕が求められる役割もまったく違う。そうなると、番組ごとに自分の立ち位置が全然違うんです。

 トーク番組だったらゲストを立てるし、ちょっと真面目な情報番組だったら自分なりの意見を言う必要がある。バラエティなら思いっきり弾けてやって、あとは編集スタッフに任せようとか。番組ごとにカメラの前で別人格が出てきて違う顔でやっているので、テレビ以外のメディアが増えていくことに関しては、自分としては“めっちゃいいな”と思うだけなんです。

「どんな仕事でもやる」スタンスになったのは、2006年から10年間ほど山本(圭壱)がいないという時期を経験したことが大きいかな。相方は精神的支柱なわけですから。片腕をバーンともがれた感じです。精神的な問題だけじゃなくて、現実的にもとにかくひとりでやらなきゃならない。人生一番のピンチですよ。そのときは、時間が解決するだろうということでしかなくて、ただ日々が過ぎるのを待つしかなかった。山本が戻るまで、自分は立って進んでいるしかない。自分までここで辞めることはできない。とりあえず“続けなければ”“来たものは全部やろう”と仕事への向き合い方が完全に変わりました。