最終日の撮影で聴いた寺尾聰の歌声に感涙
佐藤さんが演じるのは、雄太の幼馴染みの志賀聡美。
「小泉徳宏監督からの指導で特に印象に残っているのは、雄太を抱きしめるシーンです。監督から“聡美は雄太を引っ張っていく存在だから、その想いをもう少し持てば自ずと力強く抱きしめられるはず”という言葉をいただきました。直接的な動きではなく、人柄や感情を導いていただいて、このシーンで聡美により近づけた気がしました」
映画は聡美とダニエル(副島淳)の結婚式のシーンから始まる。
「私が“すごく緊張しています”と話したら、副島さんは“僕も昨日眠れなかったよ”と言ってくれて。きっと優しさだとは思うのですが、同じ気持ちの方がいると思えるだけで、すごくすごく心強かったです。緊張しつつも、副島さんとのシーンはとくにやわらかな気持ちで撮影に臨めました」
ウエディングドレスについては、「これまでもモデルの仕事で着る機会が多かったですが、今回はややカジュアルで、はつらつとした印象を持てるような聡美らしいドレスを、とみんなで相談しながら選びました」と語る。

クライマックスでは寺尾聰が洋楽を歌い上げる。昭和を代表する大ヒット曲『ルビーの指環』をはじめ、現在もライブ活動を行うミュージシャン寺尾の生歌を聴いた感想を尋ねると、
「最終日の撮影で、寺尾さんの歌声を聴くことができて。それまでの撮影を通して私も哲太さんや雄太への想いを両手いっぱいに抱えているので、寺尾さんが哲太さんとして目の前で歌ってくれている、その姿と歌声があるだけで自然と聡美の感情になって、心が揺さぶられて涙が止まりませんでした。映画を観てくださるたくさんの方にもこの歌声が響いていくんだと確信しましたし、この楽しく愛おしい撮影の日々も終わってしまうんだなという思いも重なって、胸がいっぱいになりました」
本作はタイトルにもある”歌”がテーマだが、佐藤さんにとって音楽の思い出は、サザンオールスターズの影響が大きいという。
「両親がサザンオールスターズの大ファンで私もその影響で大好きになりました。生まれた時から、いつもそばにいてくれていた感覚です。家族でファンクラブに入っているのですが、ライブのチケットが当選すれば全国どこへでも足を運び、それが家族の楽しみで大切な時間になっています。ライブ前に観光したりご当地グルメを食べたり、サザンのおかげで、家族の絆を深めるきっかけをたくさんいただいています」
好きな曲は『栞のテーマ』、彼女の名前の由来にもなった名曲である。
(つづく)
佐藤栞里(さとう・しおり)
1990年7月27日、新潟県生まれ。A型。T168㎝。2001年、ティーン向けファッション誌『ピチレモン』で専属モデルとしてデビュー。現在は『BAILA』『SPUR』『otonaMUSE』など多くの女性ファッション誌でモデルとして活躍。その一方で、『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』、『有吉の壁』(日本テレビ系)、『王様のブランチ』(TBS系)などの多くの情報バラエティ番組にも出演。
映画『父と僕の終わらない歌』
出演:寺尾聰 松坂桃李
佐藤栞里 副島淳 大島美幸(森三中) 齋藤飛鳥 ディーン・フジオカ 三宅裕司 石倉三郎 佐藤浩市(特別出演) 松坂慶子 ほか
原案:『父と僕の終わらない歌』 サイモン・マクダーモット著
脚本:三嶋龍朗 小泉徳宏
監督:小泉徳宏
5月23日(金)全国公開
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(c)2025「父と僕の終わらない歌」製作委員会
公式サイト: https://chichiboku.jp/