映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』で、主人公の教師〝薮下誠一〟を演じる綾野剛。2003年に『仮面ライダー555』で俳優デビューして以来、唯一無二の魅力を放ち続ける個性派俳優のTHE CHANGEとは————。【第2回/全3回】

綾野剛 撮影/有坂政晴

 代表作と呼ばれる作品がいくつもある俳優、綾野剛。自身にとって、THE CHANGEとなった役柄は、いったいどれなのだろうか?

「20代、30代は、チェンジというよりも、チャレンジし続けた期間でした。言い方を変えれば、すべての作品がTHE CHANGEになり得る要素だったのかもしれません」

 俳優としてのスタートは、‘03年『仮面ライダー555』の悪役だった。登場話数はそれほど多くなかったにもかかわらず、ミステリアスな雰囲気で強烈な印象を残した。

「この作品で石田秀範監督に出会ったことが、すべての始まりです。映像作品がどんなふうに作られるのかもわからない状態で飛び込みましたが、監督がたくさん向き合ってくださいました。 その中で“学べるチャンスと環境がここにある”という幸せを感じましたし、学び尽くしたいと思いました。その感覚は、今もずっと続いています」