「わたしの視点はずっと律子でした」
さまざまな役を演じる中でやりがいを感じるのは、自分の人生では味わえないキャラクターだという。
最新作の映画『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』の氷室律子は、まさしくそんなキャラクターだ。実際に起きた事件のルポルタージュをベースにしたこの作品の中で律子は、息子が担任教師から体罰を受けたと主張し続けるが、教師は身に覚えがないと言う。対立するふたりを中心に、物語は加速していく……。
「体罰があったのか、なかったのか……律子にとっての事実は“最愛の息子が体罰を受けた”ということのみで、それは何があっても揺るがない。脚本を読んだときから完成した作品を観るまで、わたしの視点はずっと律子でした」
