感想については任せようと思っています
――どこまで自分のことを話すかという点は、悩みましたか?
「書けない部分もあるので悩みはしましたが、自分の小さい頃のこと、荒川の始まりみたいな部分に、興味を持ってもらえること自体に感謝です。しかも、そういう話って答えがないじゃないですか。読んでくださる方も、私と親も人生も、何もかも違うわけで。
だから、感想については、もう任せようと思っています。言い訳も何もせずに、とりあえずこれが“完成”って。後は、皆さんの感受性とこの本がどうつながっていくのか。“ああ、ここで読み飽きたわ”でもいいし、“とってもいい! 可愛い”と思ってくれても、“しょうもない”でもいいと思っています」

――本作りで難しかったことは何でしたか?
「文章ってなんなんやろって、途中でわからなくなりました。でも今回、本を書いたことで、本に興味が湧いてきたんです。
最近読んだのは『カフネ』(阿部 暁子著・講談社)という小説。『本屋大賞』1位で、“なんかの1位とる本って、どういう本なんやろ?”って読んだら、もう涙が止まらなくて、読み終わってもずっと泣いて。文字なのに、こんないろんな想像をしたり、思い出したり、考えるって、すごい楽しいなと思ったんです。
それで、自分の本『人間合格』を改めて読み直したら、句読点とかビックリマークで止まるから、“なんや、この本”と思って(笑)。でも、本好きから見たらひっくり返るエッセイかもしれないけど、読まへん人にとっては超読みやすいみたいです。ギャルの妹は“読みやすい”って言ってたんで」