PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみ、壮絶な治療と向き合った渡邊渚さん。そんな彼女が笑顔を取り戻すまでの“奮闘”や、新たな“希望”、かなえたい“夢”など、これまでの、そして、これからの“人生の転機”、THE CHANGEについて、話をうかがった!(全5回/第2回)

撮影/川しまゆうこ

「心から伝えて良かったなと思いますし…」

 壮絶な入院生活と治療と経験して、新たな一歩を踏み出した渡邊渚さん。この経験について語り、SNSなどで世の中に発信することは、彼女の現在の“使命”だという。

――フォトエッセイ『透明を満たす』(講談社)では、ご自身のPTSDについて、赤裸々に綴られています。

「この本を読んでくださった方々から、本当にたくさんのコメントをいただいて、ものすごく励まされたんですね。

 自分の言葉が誰かに届いて、それを受け取って“自分も変わろう”と思ってくださる方がいる。心から伝えて良かったなと思いますし、これからも思ったことは、言葉にして発信していきたいと考えています。

 それに、人に伝えようとすると、自分の頭の中が整理されて、クリアになっていく感覚があるんですよね」

──エッセイに対する感想はもちろん、SNSなどを通じて、同じ障害に苦しむ人々の相談などにも真摯に向き合っていると聞きました。

 そうした活動を通じて、ご自身の中で何か変化はありましたか?

「人との関わり方ですね。以前は、人と“狭く深く”コミュニケーションをとるタイプだったのですが、今は、人と広くつながることができるようになりました。

 それは、きっと、PTSDにならなかったら、変わらなかった部分だと思うんです。

 同じ悩みを持つ人とつながることでの安心感もありますし、誰かに話したり、伝えたりすることで、その方の何かが、ほんの少しでも変わるきっかけになったらいいな、と思えるようになりました」

──SNSとの向き合い方も、非常に現代的で、ブレない軸のようなものを感じます。

  とはいえ、SNSには渡邊さんから勇気をもらった、元気をもらった人からの応援メッセージもあれば、誹謗中傷など、心ない言葉の刃を向ける人もいます。その言葉に傷つくことはないんでしょうか?