「それに対して苦しんだり、悲しんだりしないようにしよう」

 彼女自身が思う「吉高由里子」と、周囲が思う「吉高由里子」とのギャップとは、どのように向き合ってきたのだろうか?

「それについては、けっこう前にあきらめました。どんなに頑張っても、日本中の一人ひとりがイメージする『吉高由里子』を用意するのは無理だから。この仕事をしている限り、わたしが知らない人から応援をしてもらえるけれど、逆に嫌われたりすることもあります。でも、それに対して苦しんだり、悲しんだりしないようにしよう、と」

──そう思ったのは、いつごろのことでしょう?

「20代の前半だと思います。わたしはオンオフを切り替えられない人間だし、等身大というか、自分を飾ることができない人間なんだとわかってくれる人がいてくれたらいいな、と」

 今回、『しらふ』という本を作ったことで、新たな発見はあった?

「そうですね……、読んでくださる方からどんな人間だと思われるのかなぁ、と楽しみではあります。わたし自身も、まだ自分とのつきあい方がわかっていないし、この本を通して、またちょっとわからなくなったかもしれない。前に進むわたしと、通り過ぎていくわたしと、ただその場に突っ立っているわたしがいると思うから」