俳優だから裸でさらけ出すんです
――たしかに子どものときのことでも、芸能人に会ったときの出来事は、今でも忘れていません。
「“なんだ芸能人”なんて思われるより、少しでもいいイメージで残ればいいなと思うんです。こちらが多少疲れていたとしても。だから、僕は絶対に断りません。『水戸黄門』なんかは、いろんなところで再放送をやったりしているので、“昨日見ました!”なんて言って話しかけてくれる人もいます。嬉しいですし、作品の偉大さを感じます」

――いろんな作品やジャンルに携わっているので、多種多様な趣味の人から声をかけられそうです。
「毎回、同じ話をしなくて済むから楽しいですよ。ドキュメンタリー番組だったり、バラエティでの話だったり、自分のYouTubeチャンネルだったり」
――温泉俳優としてのブレイクもありました。温泉地では原田さんと一緒に温泉に入るのを喜ぶ人もいると思います。
「“あの温泉はどうだったんです?”と聞かれたり、僕もその方から情報を得たりね。そうした一期一会の時間は、なるべく大事にしたいと思っています」
――頑張ってやっているのではなく、好きなんですか?
「好きですよ。苦手だなと感じた人には背中を向ければいいわけですし(笑)。相手の方も、話しかけて欲しくない人はそうしたオーラを出しているので、それを僕のほうもキャッチしますから」
――ちなみに、当時は手ぬぐいを持ったまま入っていく温泉ロケが一般的だったなか、二枚目俳優として活躍中の原田さんが、一糸まとわずに入る姿も話題になりました。
「俳優だからですよ。裸でさらけ出すんです。それに、もちろん仕事として入るわけだけれど、温泉を楽しむために行くんだから、裸で楽しまないと。8月8日公開の映画『ハオト』の撮影では、長野の佐久市にお邪魔しました。もちろん仕事ですけど、せっかく行ったんですから、心霊スポットを探したり、温泉を探したりと、自分なりに佐久市の良さを発見して楽しんでいました」
常日頃、「一生懸命いまを楽しむ」をモットーにしていると話す原田さん。人にも場所にも、仕事にも、出会うものすべてとの一期一会を楽しんでいるからこそ、エネルギーに満ちあふれているのだろう。
原田龍二(はらだ・りゅうじ)
1970 年10 月26 日、東京都生まれ。90 年に「第3回ジュノン· スーパーボーイ· コンテスト」で準グランプリを受賞。92 年、ドラマ『キライじゃないぜ』で芸能界デビューを果たす。映画『日本一短い「母」への手紙』で第19 回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。主な出演作にドラマ『水戸黄門』『相棒』シリーズ、映画『下町任侠伝 鷹』シリーズ、『太陽とボレロ』など。最新映画として主演を務めた『ハオト』が公開。ワイドショーのMCやバラエティ番組でも活躍。YouTubeチャンネルをはじめ、SNSも積極的に更新している。
●作品情報
『ハオト』
監督・脚本・プロデューサー:丈
出演:原田龍二、長谷川朝晴、木之元亮、倉野尾成美(AKB48)、村山彩希、三浦浩一、片岡鶴太郎、高島礼子
配給:渋谷プロダクション
公式サイト: https://haoto-movie.com/