「30歳まで生きてるかわからない」未来にたどり着いたいま

 10年前、川栄は『これから』の中でこう書いている。

──30歳まで生きてるかわからないじゃないですか。

 しかし彼女は生きているどころか、俳優としてキャリアを重ねただけじゃなく、2人の子どものママとして充実した日々を過ごしている。

「デビューしたときからずっとわたしを見守り、応援してくださっているファンの方の記念になるものとして写真集を作ろうと思ったんですけど、いざとなると、わたしの写真集なんて喜んでもらえるのかな? って、不安になっちゃって(笑)。でも、30歳とデビュー15周年が重なるアニバーサリーイヤーということもあり、このタイミングしかない! と」

川栄李奈 撮影/有坂政晴

 15歳で大人気グループのメンバーとなり、これまで生きてきた時間の半分を芸能界で過ごしてきた。俳優に専念してからの10年間で、もっともステップアップできたのは、21年の連続テレビ小説カムカムエヴリバディ』だったと振り返る。

「実は、朝ドラヒロインは6回目のチャレンジだったんです。5回目の後に結婚出産を経験して、正直ちょっと疲れちゃって、このまま俳優をやっていてもいいんだろうか? と悩んでいた時期に、『カムカム』のオーディションの話があって、自分の中では最後のチャレンジだと思って受けたんです」