20歳で俳優デビューした吉沢悠。初主演ドラマとなったドラマ『動物のお医者さん』は、放送から20年以上経つが今も根強い人気を誇る。昨年からは、ロングラン公演中の舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』で、3年目キャストのハリーをWキャストで好演。大役を1年間にわたって見事に演じ、俳優としてのキャリアにさらなる厚みを持たせている。そんな吉沢さんのTHE CHANGEとはーー。【第5回/全5回】

――多くの方との出会いがあると思いますが、なかでも影響を受けた人や言葉などがありましたら教えてください。
「いろんな現場でたくさんの先輩や、自分より年下の方からも刺激を受けますけれど、最近では4年くらい習っている、NHKの作品などもされている殺陣の先生です。最初に出会ったとき、僕は42歳でしたが、“成人してからこんなに叱られる?”ってくらい叱られたんです(笑)」
――おそらく、もうあまりないことですよね。
「でもそれが的を射ていて。それも“芝居がなっていない。その芝居で人を感動させられるのか”といった内容のことを、もっとはっきりズバッと言われるんです(笑)。まあ、僕だけじゃなくて、そこに来る皆さん、頭からガツンとやられるんですけどね。言われたときは、それはすごすぎて、一歩も動けませんでした。同じことを20代で言われるのとは衝撃が違うと思います」
――しかし、ここでこうしてお話されるということは、言ってもらってよかったということでしょうか。
「そうですね。自分がどれだけ未熟なのか、よく分かりました。それに殺陣の稽古と言いましたけど、ただ殺陣の稽古だけじゃなくて、精神統一というか、人間形成が8割なんです」
――人間形成?
「もともと武術から来られている先生なので、武問答という枠があって、世の中の出来事に対してその人がどういった視点を持って、どういう言葉で自分の考えを表せられるのかといった成長具合も見られるんです。役者としてだけでなく、人としても、とてもいい刺激になっています」