ネタ合わせでは24時間営業のお店しか使わない!吉田は覚悟が違った
前のコンビのときはね、ネタ合わせやろうって、どこかお店に行ってノートに書き出してやったんですけど、お店が閉店時間になったら帰ったんですよ。それが普通じゃないですか。
でも吉田は違って、ネタ合わせをするときに、まずは使うお店を24時間やっているところしか選ばないんです。「ネタができあがるまで帰らへん」って思っているから。そこからして考え方が全然違うわって。
「本気でやってネタできへんかったら前へ進まれへんから、作らなあかんわ」って。
あいつからしたら当たり前の考えだと思うんです。覚悟が違ったんですね。芸人でやっていく、それで絶対飯を食っていきたいって思ったから、吉田は僕を誘ったって言ってました。

こんな話をすると、吉田がブレーンみたいに思われるかもしれないけど、当の本人は「俺だけ考えてるみたいで、俺だけハードル上がるからそんなふうに言うのはやめろ」って(笑) 。組んだ最初の頃は、そんな吉田に追い付いてレベル上げなぁあかんなぁって思ったんですよ。
最初は吉田がネタを考えていましたが、途中から2人で話し合って作るようになりました。自分たちの言葉でしゃべる漫才にしよう、と吉田と進め方を変えて、今のスタイルができあがったんです。
ブラックマヨネーズの結成7年目くらいで、M-1グランプリで優勝させてもらいましたが、島田紳助師匠、ダウンタウンの松本さんに票を入れてもらえたというのがとても嬉しかった。僕ら2人の気持ちが乗っかった漫才だからよかったんだと思います。「同じ台本で他の人がやっても、僕らじゃないとあかんような内容にしたいな」って吉田が言ってましたが、僕もそう思いました。
ーー大阪の番組は台本もペラペラで、「なんとかなるやろ」みたいなところがあったと小杉さんは語るが、東京はガッチリ構成も決まっていて、脱線しても元に戻る印象だったという。
(つづく)
小杉竜一(こすぎ・りゅういち)
1973年7月5日、京都府出身。NSC大阪校13期生。98年、吉田敬とともにお笑いコンビ『ブラックマヨネーズ』を結成。数々の賞を受賞した後、『M‐1グランプリ2005』で優勝し全国的に名を馳せた。現在は個人で『ぽかぽか』(フジテレビ系)、コンビで『ニンゲン観察モニタリング』(TBS系)に出演するなど多くのバラエティ番組で活躍中。
劇場アニメ『不思議の国でアリスと‐Dive in Wonderland‐』
大学生の安曇野りせ(原菜乃華)は亡き祖母が残したテーマパーク「不思議の国」を訪れ、そこで出会った少女・アリス(マイカ ピュ)と旅をする。その先々でハンプティダンプティ(小杉竜一)やハートの女王(松岡茉優)ら不思議な国の住人たちと出会う……。
8月29日(金)より全国ロードショー
配給:松竹
(c)「不思議の国でアリスと」製作委員会