「母親になることと自分の年齢について、あまり考えていなかった」

 菊川が第1子を出産したのは、41歳のとき。孔子は40歳を「不惑」……迷いがなくなる年齢と言ったが、その「不惑」を超えての出産に、迷いや葛藤はなかったのだろうか?

「結婚したのが39歳でしたから、子どもは欲しいけど無理かなとも思っていたので、授かったときは手放しでうれしかったですね。というか、母親になることと自分の年齢について、あまり考えていなかったというのが、正直なところです。
 20代、30代と一生懸命にお仕事をして、なんとなく“同世代が結婚していくなぁ、ママになってるなぁ”と感じてはいたけど、“じゃあ自分は?”とは思わなかった。ボーッとしていたんですね(笑)。目の前の仕事に集中していました」

菊川怜 撮影/有坂政晴 ヘアメイク/山田典良 スタイリング/青柳裕美(Azzurro)

 だんだんおなかが大きくなり、先に母になっていた妹さんにアドバイスしてもらいながらベビーグッズを揃(そろ)えるうちに、ママになるという実感が湧いてきたという。

「ですが、ずっとあわあわしてました(笑) 。生まれる直前になって、ベビーベッドについてネットで調べたり。ホント、抜けているんです」

 才女のイメージから、出産育児の予習を万全にしてから臨んだとばかり思っていたが……。

「わたし、両極端のAB型なんです。準備万端にすることもあれば、抜け落ちている部分もあって、母親になるということについては、完全に後者でした」