ウケる楽しさを知ってしまった

 それまでの人生で1位って貰ったことがなかったので、嬉しくて。それでウケる楽しさを知ってしまったんです。

 高校3年生といったら、いよいよ進路を決めなきゃいけない時期。当時は美大を目指して、デッサンを毎日真面目に描いて、美大も受験したんです。でも、自分の中では、進学かお笑い養成所に行くかを天秤にかけていて……。周りが自分よりも面白かったら諦めもつくと思い、先生に卒業直前に「やっぱり東京に行きます」って話したんです。「どうした! 何を血迷ったんだ」とずいぶん心配かけました。だって、その宣言をした日も、デッサンを真面目に描いてましたから(笑) 。

 そしてWCS(ワタナベコメディスクール)を経て、14年に菊田竜大と岡部大の3人でお笑いトリオ「ハナコ」を結成し、今日に至っています。

 最近では、一人で俳優や脚本家とか書く仕事もやらせてもらっています。正直、俳優業や脚本家への興味は増す一方ですね。最近では「東京03」の角田晃広さんは一流の俳優になっているし、「かもめんたる」の岩崎う大さんや「ダウ90000」の蓮見翔くんとかは脚本家として名を馳せているし、自分もそういった方々に感化されてるし、いよいよ結果を出さなければ……と思っていて。実際、自分の実力はどれくらいなんだろうと自問自答をています。

秋山寛貴(あきやまひろき)
1991年9月20日、岡山県出身。2014年に岡部大、菊田竜大とお笑いトリオ「ハナコ」を結成。「キングオブコント2018」に出場し優勝を果たす。『有吉の壁』(NTV)、『新しいカギ』(フジテレビ)など数多くのバラエティ番組に出演中。2024年7月に放映された「FNS27時間テレビ2024」ではハナコとしてMCを務めた。ラジオ『レコメン!』(文化放送)では火曜日パーソナリティを務めている。NHKドラマ『ラフな生活のススメ』の脚本、エッセイ『人前に立つのは苦手だけど』など近年は文筆業も手掛けている。

映画『ブラック・ショーマン』
中学校教師だった父・英一(仲村トオル)が殺された事件の真相と犯人を解明すべく真世(有村架純)は叔父で元マジシャンの神尾武史(福山雅治)と事件に挑む。二人の前には牧原悟(秋山)をはじめとする真世の中学時代の同級生たちが現れ、武史の巧妙な手腕によって真世の知らなかった事実が明らかにされていく……。
映画『ブラック・ショーマン』
絶賛公開中
配給:東宝
公式サイト: https://blackshowman.jp/
(c)2025映画『ブラック・ショーマン』製作委員会