劇中に登場した巫女の老婆は怖かったですね(笑)

ーー一方、作中では耳に付けている大きなピアスが目を引きました。

「女の子だから、おしゃれな部分を見せなきゃ……というのではなく、愛子にとっては、ふだんから、お守りみたいに付けているピアスなのかなって思いました。私も、そういうのは持っているし、女の子にとっては自然でリアルな感じはしましたね。あのピアス、実は井上雅貴監督の奥様からお借りしたモノなんです。私も気に入っています」

ーー本作はホラーですが、撮影中に怪異現象に遭った……ということは?

「なかったですよ。今回はスピリチュアル系のホラーで、お化け系じゃないから。でも、劇中に登場した巫女の老婆は怖かったですね(笑)」

ーーアイドル時代とは異なる姿の須田さんを見られるだけで、この映画必見です。SKE48を卒業されて、はや3年弱ですが、この期間を振り返ってみて、いかがですか?

「あっという間だったなって思います。アイドルということだけが個性で強みだと、自分では思っていたので、アイドル辞めたら私、何者になっちゃうんだろうって思っていたんです。この世からいなくなっちゃうんじゃないかって思うぐらい、不安でもあったんですが、いざ辞めても人生は続いているんだなって」

ーーその不安が今の自信に変わった瞬間は?

「一番、それを感じるのは、アイドル時代に起用してもらった番組に、今も変わらず出演しているときかな。須田亜香里として生きている等身大の30代女性の、パーソナルな部分を求められているんだということを感じた瞬間に、自信に変わりました」

ーーアイドルを卒業されてからの変化というと?

「あんまり力まなくなりましたね。以前は“前へ出るぞ! 目立つぞ!”って気持ちで、モリモリ頑張って仕事をしていたけど、今は、もうちょっと、みんなで気持ち良く仕事をしようって! 力まず、自分ができる範囲で仕事を楽しめていると思います」

 中学校から大学まで女子校で過ごした須田さん、アイドルを卒業してから大きく変わったのは異性との接し方だという。その恋愛観には育ってきた環境も影響していた。

(つづく)

須田亜香里(すだあかり)
1991年10月31日生まれ、愛知県日進市出身。A型。T159。2009年11月にSKE48第3期生としてメンバーに加入。SKE48チームEリーダーを務めた。2016年・2017年のAKB48選抜総選挙では2年連続で「神セブン」に選ばれ、2018年には2位の座を獲得。グループ在籍中は「握手会の女王」とも呼ばれた。2022年11月、同グループを卒業し、以降ソロで活躍。主なドラマ出演作は、『around1/4 アラウンド・クォーター』『かっこいいスキヤキ』『土曜ドラマスペシャル1942年のプレイボール』など。中日新聞でエッセイ「須田亜香里のてくてく歩いてく」を連載中。

映画『男神』は9月19日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、全国公開
監督・脚本:井上雅貴、
出演:遠藤雄弥、彩凪翔、岩橋玄樹、須田亜香里、カトウシンスケ
配給:平成プロダクション
(c)2025『男神』製作委員会
公式サイト: https://otokogami-movie.com/