“面白いことをやる”を重視している

障害者が参加するバラエティ番組といえば、24年まで10年以上の放送を続けた『バリバラ』(NHK)が有名だ。しかし、それと『ブラリモウドク』は一線を画すと濱田は語る。
「情報を重視してるか面白いを重視してるか、という違いがあると思います。『バリバラ』はバラエティっぽいことはやっているけれども、こういう障害を持っている人がいてこういうことで苦しんでいる、という情報を伝えるのがメイン。バラエティ番組という名目でも、福祉番組と大きくは変わらないという印象です。
『ブラリモウドク』に関しては、そこの情報提供はどうでもいいんですよ。目が見えていないから起きることは多少あったとしても、基本は“面白いことをやる”を重視しているんで」
バラエティ番組で障害者が活躍する機会はほとんどない。障害のある芸人の母数が少なく、制作側も起用を躊躇するのだろう。しかし、濱田は「テレビに出ることを諦めたくない」という。
「小学6年生の時、テレビの漫才特番で初めて漫才を知って、お笑いに目覚めました。ハリガネロックさんとビッキーズさんが好きになって、それから1か月してから第1回のM-1グランプリが始まったんですよ。ほかのバラエティ番組はどうなんやろう? と気になって、『内村プロデュース』や『笑う犬の冒険』を見たら、こんなに面白いんや、すごいなとなった。面白いと思った芸人さんはテレビの中にいたわけで、自分も同じように活躍して理想像に近づきたいという目標はずっと持ち続けてますね」
(つづく)
濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年、兵庫県生まれ。NSC大阪校35期生として、2013年にデビュー。2018年3月に『R-1ぐらんぷり』で優勝。今年5月には吉本新喜劇とコラボした舞台『盲目のお蕎麦剣士が巻き起こす新喜劇』に主演。趣味はギター。好きなものはサンリオ。
■インフォメーション
『迷ったら笑っといてください』
著:濱田祐太郎/発行:太田出版
『濱田祐太郎のブラリモウドク ―盲目芸人のブラリ旅in熱海 1時間スペシャル!濱田の目に夏の熱海はどう映る?―』
https://tver.jp/episodes/eptbmr0fs5
盲目のピン芸人 濱田祐太郎の街ブラバラエティが1時間特番になって帰ってきた!今回はブラリ熱海旅スペシャル!観光客賑わう食べ歩き商店街、海鮮グルメを堪能!さらに人生初のシュノーケリング体験や、20年ぶりの自転車運転も!果たして濱田の目には、熱海はどう映るのか?そして、濱田の唯一無二の武器、「毒舌」=「モウドク」を思う存分発揮しながら熱海の魅力を発見できるのか?

