「待ってるだけじゃ何もやってこない。自分で動かなきゃダメだ!」

──いわゆる下積みと呼ばれるような期間に、もがいた経験は。

「もちろんあります。僕は14歳のときに芸能界に入りましたが、そこから20歳くらいまで6年間、大きく状況が変わりませんでした。周りは大学に行ったりして、自分の将来のことを話していたり、就活をする人もいるなか、“自分は何をやっているんだろう。自分だけ何も変わっていない”と感じました。先が見えなくて“いつデビューできるんだろう”とよぎったとき、“待ってるだけじゃ何もやってこない。自分で動かなきゃダメだ!”と思って。結局、それまでは待っていただけだったんですよね。それじゃ何も変わらない」

──『滝沢歌舞伎』に出たいと直談判したというエピソードを聞きましたが、自分で動いたというのは、そのときのことですか?

「そうです。自分から、“『滝沢歌舞伎』に出たいんです。出させてください”と、はっきり言いました。そしたら“おまえがそう言うなら、滝沢さんに伝えてみるよ”と。それで出られることになったんです。そのときから“こういうことをしたい”と自分からちゃんと口にするようになりました」

影山拓也 撮影/冨田望 ヘアメイク/大島智恵美

──滝沢さんから何か言葉は。

「滝沢さんは、基本、背中で見せてくださる方です。もちろん大事なときには直接コミュニケーションを取りますけどね。それに僕は何か分からないことがあると、滝沢さんにも自分から“どうしたらいいですか”と聞きに行きます。“出たいです”と言ったところがまず第一歩で、いまは“これをやりたいです。やらせてください”とガンガン言っちゃいます(笑)」

 その一歩を踏み出せたことで、影山さんのいまがある。

影山拓也(かげやま・たくや)
1997年6月11日生まれ、東京都出身。7人組男性グループIMP.のメンバーでリーダー。23年8月、デジタルシングル『CRUISIN ’』にて世界同時配信デビューを果たす。同曲はMV公開から1日で201万回再生を記録したほか、Billboard JAPANダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”で1位を獲得した。昨年、坂東玉三郎演出の舞台『星列車で行こう』で、南座・御園座にて単独初主演。再演となる今年は新橋演舞場と大阪松竹座に立つ。

●作品情報
松竹創業130周年『星列車で行こう』
脚本:真山仁
演出・補綴:坂東玉三郎
出演:影山拓也(IMP.)、松田悟志、松村龍之介、小波津亜廉、石井一孝
製作:松竹株式会社