2022年に歌謡コーラスグループ・純烈を卒業し、ソロで活動中の小田井涼平さん。会社員を経てモデル、俳優として活躍し、その後、何もわからぬままに、30代後半から健康センターで歌い踊る純烈に身を投じることに。その経歴を、ユーモアたっぷりの口調で語ってくれた小田井さんの、THE CHANGEとは。【第5回/全5回】

小田井涼平 撮影/三浦龍司

 いただいた取材時間は1時間。そろそろ50分がすぎようとしているが、にもかかわらず小田井涼平さんは、取材開始から変わらぬテンションで話し続けてくれる。取材スタッフを飽きさせない、起伏のあるエピソードとユーモアあふれる語り口。サービス精神のかたまりなのだ。2022年末に卒業した純烈も、ファンサービスの濃さで話題となり、じわじわと知名度を拡大した過去を持つ。

「結成当初はわからなかったんです。演歌歌謡界のコンサートが。ロックやJ-POPのライブは観に行ったことがあっても、演歌歌謡のコンサートは観たことがなかった。会場もいわゆるホールじゃなくて、健康センターとかですし。そこでどういうことが行われているのか、僕らも知らない状態から始めたんです」

 活動を始めると、業界の先輩と知り合うようになる。すると、さまざまな教えを受けることが増えた。

「“こうしたほうがええよ”と教えていただいたり、実際にジョイントライブをやったときに、先輩たちのやり方を見るわけじゃないですか。で、"俺たちも右に倣ったほうがええねんな”となって、学んでいくんです。そこに自分たちなりのアレンジが勝手に加わっていって、完成していったんですよね」