76歳になった柄本「“ローリング・ストーン”のように生きてきた」
声がかかれば断る義理はない。下北沢で劇団を立ち上げ、アマチュアイズムを持ったまま自由に芝居を追求してきた柄本ならではのプロフェッショナリズムでもある。
「例えば、自分たちがやってる演劇だったら、バイトしたお金で小屋(劇場)を借りて……っていうところから始めていくわけです。自分たちのリスクの中でやればいいけど、テレビや映画みたいな大きなところから、せっかく声をかけてもらったんなら、スケジュールが空いてたらイエスと言って、書かれたセリフを言うんです。それが仕事です」
そんなわけで、今度の『また本日も休診』など、76歳になったいまでも、多彩な作品で姿を見せている。傍ら、下北沢の劇団東京乾電池のアトリエでは、時間の許す限り朗読会を行うなど、草の根から演劇という文化を支え続けている。
「すべてはつながっているんです。未来はわからないし、“ローリング・ストーン”のように生きてきたのかな」
不確実な日々を楽しみ、飛び込んできたチャンスは受け入れて逃さない。その繰り返しで、これからも生涯・俳優として生きていくつもりだ。
■舞台『また本日も休診~山医者のうた~』
■原作:見川鯛山
■脚本・演出:田村孝裕
■出演:柄本明 渡辺えり 江口のりこ 佐藤B作 笹野高史
林翔太 市川美織 松金よね子 花王おさむ 矢部太郎 星野園美 佐々木春香 大西多摩恵
西本竜樹 中田浄 春可直子 上原奈美 西村喜代子 小島久人
■日程・会場:10月23日(木)~11月2日(日) 東京・明治座
■公式サイト:https://kyushin2025.com/
※明治座公式YouTubeチャンネル @meijizamovie より