その透明感と確かな演技力で魅了する俳優・波瑠さん。NHK朝ドラ『あさが来た』(2015年)以降、出演した数々のドラマで主演を務め、いまや国民的俳優の一人といっても過言ではない。モデル・俳優としてキャリアをスタートさせた波瑠さんにとって今日までにおける「CHANGE」とは?【第3回/全3回】

波瑠 撮影/松島豊 スタイリスト/黒崎彩

 10代の頃から、学生、OL、刑事……と様々なキャラクターを演じ続けてきた波瑠さん。現在放送中で川栄李奈とW主演を務めるドラマ『フェイクマミー』(TBS系)では、“母親のなりすまし” という禁断のニセママ契約を結び母親業を担う元バリキャリ女性を演じている。現在30代の彼女に20代までとの違い、30代になってからの変化について聞いた。

「20代の頃は、やはり先輩に囲まれていることが多くて、がむしゃらにやっていれば、色々なものが形になっていたと思うんです。ついていく指標が常に目の前にあった……そういう環境にいたことが、今思えば本当に恵まれていて幸せだったなと。最近はご一緒させていただく役者さんやスタッフさんも、自分より年下ということが多くなってきました。そうなってくると、責任感とは少し違うかもしれませんが、拠り所がないような気持ちになるときがあります。だから、主演を務めることになったときに“自分で引っ張っていけるのだろうか”と不安になることも増えました」

──それは、どんなにキャリアを積んでも変わらないものですか。

「そうかもしれません。自分が20代の頃にご一緒した30代の女優さんは、ものすごく先輩に感じていました。でも、いざ自分が30代になってみると、20代の俳優さんたちを“後輩だ”と強く意識することはありません。“同じくらいだよね、一緒に頑張ろうね”みたいな感覚です(笑)。若いときって、少し年上なだけでも、すごく大人に見えたりしますよね。でも、当時あれほど大人に見えた先輩たちですら、さらに上の先輩がいらっしゃると、とても楽しそうにお話をされている。その姿を見ると、やはりいくつになっても先輩の存在はありがたいんだなと思います」