舞台『新 画狂人北斎-2025-』の出演を控える雛形あきこさん。グラビア時代の思い、『めちゃイケ』で得たもの、そして俳優としてのキャリアで忘れることにできない作品との出合いなど語っていただいた。夫である俳優の天野浩成さんとの二人の歩みがここにきて変わってきたという「CHANGE」も赤裸々に。【第3回/全4回】

雛形あきこ 撮影/冨田望

 俳優としての活動を広げた90年代後半。一方では時代を代表するバラエティ『めちゃ×2イケてるッ!』に1996年からレギュラー出演することになる。前身の番組『めちゃ×2モテたいッ!』から数えると、23年間の長きにわたって出演することとなった。

「『めちゃイケ』では、たくさんのことを学んだと思っています。一番大きいのは、お仕事の現場におけるバランス感覚や自分の役割についてですね。例えば、そこに10人いたら10人いる意味みたいなものを常に考えるようになりました。
 『めちゃイケ』の場合、“クラスで友達になる人じゃなくて、全員友達になりそうもない人たちを選んだつもりだ”というふうに言われていて。だからこそ、それぞれに違った役割があって、その役割をいかにこなせるか、というのが大事なんです。個々の役割や、その表現方法みたいなものを教えてもらったのが『めちゃイケ』だったと思います。
 バラエティで“面白い”っていうのはもちろん大事なことですけど、ただ面白いことをすればいいのではなく、この人がやるから面白い、ここで前に出るから面白い、ここは出ないから面白い、みたいなそれぞれの役割があるんですよね。それが最初はすごく難しかったのですが、毎週の収録で少しずつ体で覚えた感じはあると思います」