高橋家の子育て「それぞれが僕に似た部分もあって、とても繊細で傷つきやすい」
先輩後輩の垣根を超え、ただ純粋に表現と向き合う……。高橋さんのそうした真摯(しんし)な姿勢は、高橋さんの子どもたちへも受け継がれているようだ。
「子育ての正解なんてわからないし、間違えることもあります。ただ、自分が何をしたいか、どうなりたいかを自分で考えるようにしてもらっています。僕はアドバイスは与えるけど、“これをやりなさい”と、答えを目の前に差し出すことは絶対にしません」
親としては、手を貸してしまうほうが楽だったりもするだろう。それでも、忍耐強く自立するのを待ち続けるという。
「僕にとって大切な“THE CHANGE”のひとつである渡米は、24歳のころ。いま、息子のひとりが同じくらいなんですよ。音楽をやりたいなら応援しますが、手伝いはしません。だって手を貸したら、本人が成長する機会も、自分で切り開いていく喜びも奪ってしまい、彼にとってむしろ不幸せだと思うから。どんなに大変でも、音楽をつくったり歌うことが喜びなら、それを大事にするはずです。
もがいたりもするだろうけど、そうすることで人生を自分でコントロールしている感覚が持てるようになると思うし、人生にとって、それはとても大事なことだと思いますね。ただ、みんなそれぞれが僕に似た部分もあって、とても繊細で傷つきやすい。僕の見えないところで試練もあるんだろうなって。そうしたつらさを乗り越えたり、いいパートナーと巡り合えたりしているのをみると……やっぱりすごくうれしいですね」