高橋和也が作り続けたい作品「楽しいだけではなく、どこか毒みたいなものをはらんでいるような作品」

 目を細めながらほほ笑む高橋さんの横顔からは、親としての一面が垣間見れた。繊細で傷つきやすかった青年期に訪れた仲間との別れは、言葉では表現できないつらさだったに違いない。

「男闘呼組が活動休止になって、ひとりで歩み始めた後、“いままでとは全然違うんだ”、“こんなに周りの対応が変わるのか”と驚いたり、傷ついたりもしましたね。でも、その“THE CHANGE”があったからこそ、自分の足で歩めた。それは大きかったですね。いまもこの世界に身を置くことができていますし、エンターテインメントですから、たくさんの人に楽しんでほしいし、届けたい。
 ですが、同時に、分かりやすくて楽しいだけではなく、どこか毒みたいなものをはらんでいるような作品も作り続けたいんです。それが社会問題を扱ったものなのか、隠されたメッセージをはらんだものなのかはわからないけど、僕が多感な時期に刺激をもらった作品がそうだったように、“いま、笑顔で言っていた言葉って、よくよく聞くとすごく恐ろしいな”とか、少し立ち止まって考えてみたくなるような作品に、魅力を感じますね」