北山宏光と渡辺大――同世代であり、ともに若い頃より表舞台に立ってきた2人の俳優が、昭和の名匠と名優が残した大作で舞台に立つ。その名作『醉いどれ天使』に込めた2人のプライドと、本当の友人のようにリスペクトし合える仲、そしてそれぞれの人生の中のTHE CHANGEを聞いた。【第4回/全4回】

北山宏光・渡辺大 撮影/有坂政晴

 王道を歩む俳優と、独自の道を切り拓いてきたアーティスト。異なるキャリアを持つ渡辺大と北山宏光が、ついにそれぞれの役作りを語る。約80年前の混沌を生き抜いた男たちを、2人はどう解釈し、現代に蘇らせるのか。

――およそ80年前の、時代も環境も素のお2人とは全く異なる人物を演じることになります。今、お芝居についてどのようなプランを持っていますか。

渡辺「僕は20代から、戦後史を描いた作品にも出させていただいてきました。例えば松方弘樹さんなど、昭和をリアルに生きて来られた大先輩から肌で感じ取った蓄積があります。そんな匂いや名残が僕の財産なので、積み重ねてきたものを存分に発揮したいですね」