その透明感と自然体な存在感で様々な作品に出演して若手俳優の一人として躍進中の八木莉可子さん。昨年は世界的ファッション・ブランド「ディオール」のジャパン・アンバサダーに就任して国内だけの留まらず、活躍の場をワールド・ワイドに広げている。そんな八木さんにとってのCHANGEは?【第1回/全3回】
「最初に台本を読んだ時は泣いてしまったんです」
黒のドレッシーな衣装に身を包み、取材現場に現れた八木莉可子さんは、現在出演中のドラマ『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』(カンテレ・フジテレビ系)の撮影時のエピソードについて落ち着いた口調で語りはじめた。
本作は、妻を亡くし、シングルファーザーとして生きる遺品整理人・鳥飼樹(草なぎ剛)が様々な事情を抱えた家族に寄り添い、遺品に刻まれた最後のメッセージを解き明かし届けていく……というヒューマンドラマ。遺品整理人が届けるのは、「去り行く人たちが伝えきれなかった、真実の想い」だ。
撮影時にはプロの遺品整理人の方も監修として現場に来ていたという。
「その時に聞いたのは、“棚から本を取り出した時には、最後に何度か振ってみたりする”ということ。理由は“中に大切なものが挟まっているかもしれないから”と。本当に細やかに確認されているんだということを教えていただきました」