「一人じゃ生きられない」二十歳で上京後に痛感
「ポカリスエット」のCMに抜擢されたのは2016年。まだ14歳だった。同じ年に雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディション『ミスセブンティーン2016』でグランプリを受賞し、ドラマ『時をかける少女』(日本テレビ系)で俳優デビューも果たした。その後、地元、滋賀県の高校を卒業し、二十歳のタイミングで上京した。
「本当は大学入学と同時に上京しようと思っていたんですが、当時はコロナ禍の真っただ中、入学式もない世代で、大学の授業もほぼオンラインでした。上京が出来なかったので高校を卒業した後も2年間ほど滋賀にいたんです。コロナ禍が徐々に収まってきて、東京でのお仕事もあったのですが、その時はまだ滋賀から通っていました。ちゃんと上京できたのは二十歳の頃でしたね」
上京後に痛感したのは「一人じゃ生きられない」ということ。ホームシックになってしまい、一人が苦手だということを実感したという。
「滋賀に住んでいた頃は金曜日の夜に東京に行って、土日で仕事をして帰る……という生活だったんですけど、上京してからは環境がガラッと変わって、それについていけなくなったんです」

慣れない一人暮らしに心が折れそうになっていた時、そんな状況(心境)から抜け出すきっかけとなったのは、『おとなりに銀河』(2023年)というNHKの夜ドラへの出演だった。「ヒロインの五色しおりという役をいただけたことが大きかった」と八木さんは言う。