すべてについて時間をかけるように「あえてレストランまで歩いて行って、メニューを見ながら注文して…」
スマホの画面を見ないことに努力が必要な現在、kemioが実践しているのは……。
「２年くらい前から、すべてについて時間をかけるようにしています。たとえばおなかが空いたとき、スマホでデリバリーを頼めば、家に居ながらにして、誰とも会話しないで空腹を満たすことは可能です。でも、あえてレストランまで歩いて行って、メニューを見ながら注文して、人がいるところで食べて、歩いて帰る」
丁寧に生きるということだろうか？
「はい、丁寧に、時間をかける。映画館に行って映画を観るとか、レコードやＤＶＤを持つことも楽しいです。最近、レンタルビデオショップが恋しくて。週末にレンタルビデオショップに行って、観たかったのが借りられちゃってて、でも、せっかく来たんだからと、ジャケットに惹かれて借りた映画が、今でも大好きな映画だったりとか、そういう偶然の出会いがありましたよね」
確かに、今はサブスクで映画を観て、ＡＩが次に観るべき作品を提案してくる時代だ。それにハズレは少ないが、サプライズの楽しさはない。
誰かやＡＩが推してくるものが多すぎて、自分が好きなものすら、もうわからなくなってる？
「便利さを追求しすぎて、人間が生きる希望を失ってしまうんじゃないかと心配です。心で感じることが減ってきているし、自分のイマジネーションを使う機会もない。毎日、スマホの画面に現れるものだけを見て、その裏側に何かがあることすら考えない……。人との距離感とかも含めて、いろんなことがバグりはじめているんじゃないかと感じています」
つづく
けみお
１９９５年１０月１６日生まれ、東京都出身。高校時代に、６秒動画アプリＶｉｎｅで注目を集め、タレント、モデル、シンガーなどで活躍後、２０１６年に海外に拠点を移し、ＹｏｕＴｕｂｅ配信を本格的にスタート。幅広い分野で活躍しており、２０２５年３月公開の映画『ウィキッド ふたりの魔女』では声優に初挑戦した。
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◼︎作品情報
写真集『kemio by kenta』
著：kemio
写真：久野美怜
ＰＡＲＣＯ出版
定価：３，８５０円（税込）
『kemio by kenta』（PARCO出版）
